ドイツは電子レンジが禁止なの?どうやってご飯を温める?

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どの家庭にも必ずと言っていいほどある生活家電。
と、言えば電子レンジですね!

さて、日本の友人から先日こんな質問を受けました。

ドイツって電子レンジが禁止なの?

友人

友人

結論を先に言うと・・・・・

ドイツでは電子レンジは禁止ではありません

しかし、ドイツの電子レンジの普及率は日本に比べて恐ろしく低いです。

これは禁止と思われても仕方がないでしょう。
実際、我が家にも電子レンジはありません。

今回はなぜ電子レンジが禁止と言われるほど普及していないのか?
ドイツでの電子レンジの普及率をベルリンの住宅事情や、ドイツ人の習慣を交えてご紹介します!

ドイツでの電子レンジなし生活

コロナ禍は電子レンジが欲しかった!

コロナ禍でベルリンでは3月から約2ヶ月半『外出禁止令』が発令されました。
外出ができるのは食材や薬などの買い物のみで、学校や小売店は全て休止です。

これを守らないと罰金などの罰則があります。

飲食店はデリバリーサービスのみの営業です。
スーパーマーケットは営業されていましたが、入店規制がありました。

子供達は外出が一切できず、アパートの裏庭にしか出かけられませんでした。

当然のことながら食料品も必然的に買い置きができるものになりがちです。
アジアンスーパーにも行きづらくなってしまい和食からは遠ざかってしまいました。

一番困ったのは、パスタやお米などの主食品が軒並み売り切れとなった事です。

外出規制前に、大量の買い占めが起こりました。
また当時イタリアが国境を閉鎖された為、在庫の追加が全くされませんでした。

お米やパスタはイタリアからの輸入品が多いのです。

幸いパスタは以前から大量に買い溜めしていたので、そちらで乗り切る事ができました。
しかし、お米は本当に買えなくなってしまいとても困りました。

買い物も週に2回ほどで、皆買い溜めをするのでレジは常に大行列です。

生成品も保存ができるもの以外は買いにくくなりました。
そのため我が家でももっぱら活躍したのは『缶詰』や『フリーズドライ』『冷凍食品』などの保存ができる食べ物でした。

さすがにこの時ばかりは『電子レンジ欲しい!』と何度も思いました。

日本とドイツの電子レンジ普及率は?

ドイツのスーパーでは日本のお惣菜のように、温めれば食べられるおかずがたくさん売っています。

ドイツ人は日本人よりもかなり頻繁にケーキを焼きます。
しかし料理を毎日する人は日本より少ないので簡単で手軽に準備できる物が好まれます。

そんなお惣菜食を温め直す時に活躍するのが「電子レンジ」です。

私も日本に住んでいる時は、ありとあらゆる場面で毎日必ず電子レンジを使用してきました。
『冷凍しておいたご飯の温め直し』や『冷凍食品の解凍』『食材の下ごしらえ等々』など電子レンジは大活躍でした。

総務省のデータによりますと、日本の電子レンジ普及率はなんと97.4%
ほぼ全ての日本の家庭には電子レンジはある』といっても決して過言ではないでしょう。

しかし電子レンジはベルリンでは決して必須の家電製品ではありません。

ドイツに来る前も当然のように電子レンジがアパートメントに付いていると思っていましたが、賃貸したお部屋には電子レンジはありませんでした。

現在のところ、ドイツでの電子レンジ普及率は60%ぐらいだそうです。

この数字からドイツの家庭では電子レンジはもっている家もあるけど、持っていない家も多いということがわかります。
ドイツでは電子レンジは禁止されていませんが、決して必需品では無いのです。

我が家も何度か購入しようかとも迷いましたが、結局電子レンジの無い生活に慣れてしまいました。
電子レンジの購入の予定は今後もありません。

ベルリン住宅事情について

ここでベルリンの住宅形態についてご紹介します。

ちなみにこの数年間、住宅問題がベルリンでは特に深刻な問題の一つとして大きく頻繁にとりあげられています。
移民を多数受け入れた為、入ってくる人に対して圧倒的に住宅数が足りない、というのが今のベルリンの現状です。

家賃も土地代も以前より価格がびっくりするほど上昇し、みんな悲鳴を上げています。

ベルリンの少し郊外に行くと、新しいアパートメントがどんどん建てられており、建設ラッシュとなっています。

さて、そんなベルリンでは家を借りる時、家具付きアパート家具無しアパートを選択します。
もちろん「家具無しアパート」のほうが断然件数は多くなります。

ベルリンで家を借りる時は「家具付きアパート」か「家具無しアパート」を選べる!

ノイバウ』と呼ばれる比較的新しい建物だとキッチン付きも増えて来ています。
しかし通常ベルリンで家具なしアパートを借りると、キッチン台はおろか下手したら流し台やコンロすらありません。

前の住人が残していってくれる場合もありますが、基本的にはガランと何も無い家を借りる事となります。
そこに住む新たな住人が、業者に工事を依頼したり自分でDIYで作ったり、住む前に家の中を新しく改造しなければならないのです。

ドイツ人はDIYが好きな人が非常に多いので、何年もかけて自分で家をリフォームする人がたくさんいます。

ベルリンの家具無しアパートは空っぽの箱です!

さて、現在、我が家が借りているアパートは「家具付き住宅」です。
第二次世界大戦前に建てられた『アルトバウ』と呼ばれるアパートメントで、なんと築約90年になります。

ベルリンは日本と違って地震が無い為、古い建物が非常に多く残っています。
市内には古い建物が多く、明らかに古い建物を『居抜き』したスーパーマーケットなどがあり非常に面白いです。

我が家が住んでいるこの古い『アルトバウ』ですが、中はリノベーションされておりとても綺麗に整えられています。
そのため部屋の中にいる限りではあまり古さを感じません。

ベルリンでアパートメントを借りる際、大家さんから直接借りる方法もありますが、私は管理会社を介して賃貸させてもらっています。

さて、ベルリンの「家具付き住宅」は「家具付き」と一口にいっても、家具だけではなく全ての生活雑貨が揃っています。
タオルやキッチン用品、食器、寝具、家電に掃除道具等々、生活に必要なものが全て元々備えられているのです。

「家具付き住宅」は住み始めたその日から、普通に生活することが可能です。

 ベルリンに移住を決めた時、生活の基盤が落ち着くまでは、と家具あり住宅を借りました。
しかし、思いの外居心地が良くそのまま住み続けている状態です。

どうしてドイツでは電子レンジがあまり普及しないのか?

温かいものを食べないドイツ人

ドイツでは、そもそもあまり温かいものや熱々の物を食べる習慣がありません。

私なんかは熱々をはふはふ言いながら食べるのが好きなのですが、ドイツの人は熱々をそんなに好んでは食べないようです。

また、ドイツでは夕食ではなく『朝食』をきちんと食べるのが良いとされています。

もちろんシリアル等で簡単に済ます人もいます。
しかしパンにチーズ、ハムやウインナーに卵料理、もしくはサンドイッチなどが朝食では食べられます。
自宅ではもちろん、パン屋さんやカフェなどでしっかり食べる方も多いです。

ドイツにはもちろんパン屋さんが沢山ありますが、ほとんどのパン屋さんではコーヒーを販売しています。
特別な朝ごはんメニューを提供しているパン屋さんもとても多いです。

ドイツのIKEAで食べられる朝ごはん

そんな風に1回目の朝食を結構がっつり食べるのですが・・・

再度、朝の10時ぐらいにもう一回軽い朝食を食べる習慣があります!

そのため、うちの子供達も家で食べる朝食とは別に、サンドウィッチやスナックを毎日学校に持っていきます。

昼食は日本と同じように、お弁当(パスタやサラダ)をもっていったり、カフェでゆっくり食べたりする方がほとんどです。

暖かい物を食べるのは昼だけという人もとても多いです。

そして、夕食の時間です。

ドイツの伝統的な夕食は「パン・チーズ・ハム」以上です!

ドイツの夕飯は kaltes Essen (冷たい食べ物)と呼ばれ『夜には調理に火を使わない』というのが一般的です。

ドイツにはこんなことわざがあります。

朝は王様のように食べ、昼は貴族のように食べる。そして、夜は物乞いのように食べる。

まさにこのことわざ通りに実行している人が結構います。

ベルリンでは、夕方にパン屋さんのパンを店先で子供に食べさせているお母さんやお父さんをよくみかけます。

最初はそれを見て、私もこんな風に思っていました。

「こんな時間にパンなんて食べさせたら、夕飯が食べられなくなるじゃないか・・・」

でもベルリンでは『夕方のパンはおやつではなく、それが立派な夕飯』なのです。

コンビニがとても少ないベルリン

さて、電子レンジが普及しない他の理由の1つはコンビニの少なさだと思います。

私が日本に住んでいた時、かなり利用していたのがコンビニの冷凍食品です。
和洋中、オールジャンルで、日本のコンビニの冷凍食品は本当にレベルが高いと常々思います。

そんな素晴らしいコンビニの冷凍食品、当然ベルリンでは手に入りません。

ベルリンでは冷凍食品はスーパーマーケットで買うものです。

そもそもベルリンにはコンビニがほとんどありません。
コンビニの代わりになっているのが、街のあちこちにある『Spärkauf』や『Kiosk』 と呼ばれるお店です。
コンビニというよりも、街の酒屋さんに近い感じでお酒やタバコ、飲み物や簡単な食料品を売っています。

ドイツではスーパーマーケットを含めた小売店は日曜日には営業をしていません。
法律で祝日や休日に働く事が禁止されています。

spärkaufやKioskの商品の価格は、スーパーマーケットよりもかなり割高です。
しかし中には夜や日曜日も営業している店もあり、このようなお店は緊急時にとても便利です。

食事を温め直したいときは?

冷凍食品の温め方

ベルリンのスーパーマーケットではかなり様々な種類の冷凍食品が購入可能です。

一番多いのは、やはり定番の冷凍パスタや冷凍ピザ、冷凍ポテトフライです。
バミゴレンやナシゴレンなどのアジア料理の冷凍食品も人気です。

後は冷凍されたパンや、野菜やお肉などの食材系の冷凍品が多く売られています。

また、新鮮なお魚はなかなか売られていません。
そのかわりに冷凍の調理済み魚料理やフライ系が多く販売されています。
ベルリンに住む人にとっては、魚は冷凍食品で食べる物の様です。

これらの冷凍食品はもちろん電子レンジでも温めすることができます。

しかし日本の冷凍食品とは違って、ほぼ全ての製品がオーブンでの温めに対応しています

ドイツ人は何かというとケーキを焼きます。
小学校でも定期的にケーキを持ち寄る日なんていう日があるぐらい、ドイツ人はケーキを焼くのが大好きです。

ケーキを焼く為に各家庭には必ずと言っていいほど、日本にあるよりも大きく立派なオーブンが備え付けられています。

推測ですが、おそらくドイツ家庭へのオーブンの普及率ほぼ100%だと思います!

このようにドイツでは、冷凍食品を電子レンジではなくオーブンで温める手段があります。
そのため電子レンジの普及率が上がらないのです。

ご飯の温め方

我が家には電子レンジだけでなく、炊飯器もありません。

炊飯器については別の記事で紹介しています。

最後に炊飯器を購入したのは約20年前のアメリカです。
その余りにも質の悪い炊飯器に辟易し、すぐに鍋での炊飯に切り替えました。

その後日本に帰国しましたが、すでに鍋での炊飯に慣れてしまっていました。
そして、そのまま炊飯器を購入する事なく現在に至ります。

炊飯器がないと一番困るのが、残ったご飯をどうすれば良いのかです。
炊飯器がないので、『保温機能』や『温め機能』を使えないからです。

日本にいるときは、当然のように冷めたご飯や冷凍したご飯を電子レンジで温めて食べて来ました。

しかしながら、ベルリンの現在の我が家では、電子レンジでご飯を温める事ができません。

ご飯を炊く時、我が家は約三合の500gのご飯を一気に炊きます。
しかし3人家族の我が家では、一食でこの量を食べる事ができません。
その為、大体ご飯が残ってしまいます。

残ったご飯は鍋で温めなおして次の日に食べることもあります。
大抵は子供たちがおにぎりにしてお弁当に持っていきます。お弁当に持っていかない時は、チャーハンにしたり、一晩水につけて朝にお雑炊を作ったりしています。

ベルリンでのお米情報に関しては、こちらの記事で紹介しています。

まとめ

日本に居るときは電子レンジがない生活は全く想像できませんでした。
なぜなら私は、ありとあらゆる場面で電子レンジを使う電子レンジのヘビーユーザーだったからです。

しかし、いざ無くなってみると思ったよりも何とかなるものです。
前述通り、今のところも購入の予定は全くありません。

もちろんオーブンがあるベルリンだから、というのもあります。
しかし日本でもやってやれないことはないんじゃないかな?と思います!

電子レンジなし生活、それなりに快適ですよ!

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